◆下記は、
自民党 総裁選の風景 軍歌酒場の“安倍親衛隊”
という記事を見て書いたものである。9月11日に阿修羅と私のアメーバブログに書いたものであるが、今日の安倍内閣発足について、危惧を示す意味で、再掲する。
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伝統とか国家の品格の名のもとに軍歌が歌われるとは・・・。
教育基本法改正案の中に「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する・・・態度を養うこと。」との文言があるようだが(http://seijotcp.hp.infoseek.co.jp/edu0604.html参)、
ここで言う「文化」とか「我が国」が何を指すかが窺い知れるというものだ。
また、記事によると、稲田朋美衆院議員は、
「誰もできなかったことに安倍官房長官は挑戦しようとされているのです」
と言ったそうだが、何でもかんでも未知のことに挑戦すればいいというものではない。古いもの、今あるものをぶっ壊せばいいというものではない。
小泉フィーバーやホリエモン・フィーバーでも、こうした、ぶっ壊し屋、「挑戦」屋を歓迎する風潮が見られた。そして、今でもその風潮は根強く残っている。
しかし、ぶっ壊されて残ったものは何か?
小泉構造改革なるものにより、格差は広がり、地域はさびれ、商店街はシャッター通りと化した。
私の地元の駅前でも、昔なじみのお店はもうほとんど残っていない。
代わりに繁盛しているのは、地元色など全くない、郊外の大型店だ。全国どこでも同一サービスを展開しているような店である。
日本全国がマクドナルド化して何が嬉しいのか、私にはわからない。
ホリエモン逮捕でいったんは静まるかと思われたホリエモン熱も、まだ冷めてはいないらしい。堀江被告に同情する声がまだ聞かれる。
堀江被告本人も、悪いことをしたという自覚はなさそうだ。
そうした堀江被告の開き直りを糾弾する声もマスコミからはあまり聞こえてこない。
マスコミが関心があるのは堀江被告がスーツ姿かどうかとかネクタイの色のことらしいから無理もないか。
ホリエモンは、小泉同様、日本人の道徳心を壊した。拝金主義で何が悪い、という考え方が公然とまかり通るようにしたのだ。
安倍政権になったら、今度は何が壊されるのだろう。
平和主義と、異論に対する寛容な態度、だろうか。
すでに、壊されつつあるようだが・・・
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◆小泉政権の約五年半が何だったかについては、
下記の東京新聞の記事が簡潔にまとめている。
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9月24日(日)付け 東京新聞 筆洗
(http://www.tokyo-np.co.jp/00/hissen/20060924/col_____hissen__000.shtml)
テレビから吉田拓郎さんの曲が流れている。静岡・掛川のつま恋…
テレビから吉田拓郎さんの曲が流れている。
静岡・掛川のつま恋での屋外コンサートの生中継。
「ちょいとマッチを擦りゃあ/燃えてしまいそうな/そんな頼りない/世の中さ…」。
「ひらひら」という曲の歌詞が、心に響く
▼拓郎六十歳。
観客も団塊世代や中年が中心だが、青春時代の郷愁に浸るだけではないだろう。
みんな前に進むためのエネルギーを欲しているはずだ。
言い知れぬ不安感の中で生きているのだから
▼小泉政権の約五年半はみんな大変だった。
経済の立て直しのため企業の淘汰(とうた)やリストラが加速し、規制緩和も積極的に行われた。
競争主義、市場原理重視の政策だが弱肉強食のすすめでもある
▼持てる者と持たざる者の格差は拡大した。
貯蓄なしと生活保護の世帯数はともに上昇カーブを描いている。
労働者の三人に一人は派遣社員やパートという非正社員の時代になった。
リストラにあって不本意ながらフリーターで生活を維持している人も少なくない
▼自己責任を問われるようにもなった。
イラクでの日本人人質事件が転換点だった気がする。
「助けて」と言いにくい空気がこの国を覆っている。
安全や人命より利益や効率を優先させることを「よし」とする土壌で起きたとしか思えない事件・事故も続いている。
「思いやり」や「助け合い」のない世の中はやはり「頼りない」
▼「ありがとう/支えてくれて/ありがとう/激励/協力/只々(ただただ)感謝」。
小泉首相が二十六日の退陣を前に「現在の心境を託した」短歌。
あっけらかんとしていて、こちらは心に響かない。
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◆小泉が壊したものとして、相互扶助の精神を挙げた人もいる。
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小泉首相が壊したもの。
http://www.asyura2.com/0601/idletalk18/msg/210.html
投稿者 染川瀝青 日時 2006 年 6 月 01 日 18:33:58: OrTq7AIvkoYi.
(回答先: 自民党をぶっ壊すと言った小泉首相ですが、、、 投稿者 haru 日時 2006 年 5 月 30 日 20:43:36)
首相は何かとお忙しいと思うのでセンエツながら小生が代りに・・・
小泉首相が壊したものは何かというと、小生の思うにそのいちばん大きいのは、相互扶助の精神。
はるか百年以上昔の話で恐縮ですが。
---以下引用---
1886年来日したイタリア海軍中佐ヴィットリオ・アルミニオンも、「下層の人々が日本ほど満足そうにしている国はほかにはない」と感じた一人だが、彼が「日本人の暮らしでは、貧困が暗く悲惨な形であらわになることはあまりない。人々は親切で、進んで人を助けるから、飢えに苦しむのは、どんな階層にも属さず、名も知れず、世間の同情にも値しないような人間だけである」と記しているのは留意に値する。つまり彼は、江戸時代の庶民の生活を満ち足りたものにしているのは、ある共同体に所属することによってもたらされる相互扶助であると言っているのだ。
---引用終り---
(渡辺京二氏『逝きし世の面影』(平凡社ライブラリー)154頁。ジャック・どんどんさん御紹介の本であります。感謝。)
百年以上かけて徐々に壊れてきた相互扶助の精神ですが、それでも結構残ってたように思います。
とにかく米国はそれを邪魔だと思ったんでしょう。というよりもその相互扶助をもたらす(米国の言うところの閉鎖的な)共同体が邪魔。
市場原理主義による競争社会というのは、司法制度改革で訴訟社会にすることもですが、「相互扶助」の否定です。他人を敵と考えよ、ということ。
他人を敵と考えずに一緒に何かやろうとしたら、これは日本政府の自主的(笑)な法案のようですが、共謀罪とくる。何が何でも個人個人をバラバラにしたいみたいですね。共謀罪は今国会では今のところどうなるのかわかりませんが。
「自己責任」という言葉も「相互扶助」のほとんど反対語だし。違うのかしら。
相互扶助を極端にやったら馴れ合いになるような気もしますが、馴れ合いはいかん、談合もいかん、ということで、ついでにというかここぞチャンスとばかりにというか、相互扶助そのものまで否定してしまうわけで。
ふむ。
今の政府の連中もよほどシモジモの助け合いが気に食わんと見える。確かに上の引用文でいう「下層の人々」ではありませんな。小泉氏以下次期総裁候補とされる安倍福田麻生谷垣氏にいたるまですべて世襲政治家の方々である。
結果の平等はけしからん、機会を平等にしてその上で競争せよ、というて、あんたら貧乏人のこせがれと機会が平等か?
あほらしやの鐘が鳴っております。
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◆小泉政権が殺伐とした社会を生み出した、との日刊ゲンダイの記事もある。
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日刊ゲンダイ 2006年8月19日
(http://www.asyura2.com/0601/senkyo25/msg/512.html)
小泉デタラメ政権5年間の末期に噴出しているペテン首相のメチャクチャ政治がもたらした殺伐とした社会の現状実情
連日、不快で凶悪な事件が続発し貧富の差が拡大し金がすべての世相の中で、平和憲法を否定するナショナリズムが幅を利かせる全く嫌な国に様変わりしている
内政では庶民生活を圧迫し痛みを強要、外交では四面楚歌。その結末は、財政は破綻し国民は少数の大金持ちと大多数の貧者に二分され、いずれはいつか来た道をたどることになる
この国は本当にイヤな殺伐とした国になってしまった。
小泉の8・15靖国参拝を批判していた加藤紘一の実家が、右翼の焼き打ちにあった。犯人とみられる東京都内に住む右翼団体の幹部(65)は、前日から入念に下見したうえで、1階に油をまいて火をつけた可能性が高い。現場からは刃渡り26センチの包丁も見つかっている。
加藤紘一の事務所には、一般の国民からも脅迫や嫌がらせの電話が殺到しているという。カッタ―の刃が送りつけられ、「お前は中国の手先か」「次は爆弾だ」という電話もあった。しかも、その多くは匿名で、名前も名乗らない卑劣さだ。
「加藤紘一は決して過激な発言はしていません。『首相は靖国に行くべきではなかった』『アジア外交は崩壊に近い結果になった』と冷静に論じていただけです。それでも脅迫や抗議が殺到するのは、いかに日本社会が右傾化しているか、『頭にきたからやっちまえ』という問答無用の空気が蔓延しているかの裏返しです。ここ数年間で日本社会から寛容さが消えてしまった。ちょっとでも気に入らないことが起こると過剰に反応する。加藤紘一が『ここ数年、自由にモノが言えない雰囲気になった。とくに外交、歴史問題を話すときはプレッシャ―がある』と吐露したのは実感でしょう。日本は、言いたいことも自由に言えない社会になり始めています」(立正大教授・金子勝氏=憲法)
恐ろしいのは、大新聞・テレビが今回の放火を深刻に受け止めていないことだ。どこか、仕方がないと受け入れているフシがある。
□意図的にナショナリズムを煽った小泉
なぜ日本はこんな国になってしまったのか?答えははっきりしている。すべて小泉デタラメ政治のせいだ。
ここまで日本人が攻撃的になったのは、小泉が「競争、競争」の世知辛い世の中に日本をつくり変えてしまったからだ。しかも、大多数の国民は「負け組」に転落してしまったか、この先、転落する不安を感じて暮らしている。これじゃ、社会全体がギスギスし、急速に右傾化しても不思議はない。
「最近は若者まで『英霊に手を合わせるのは当然』と靖国を参拝し、平和憲法を否定して『中国、韓国、何するものぞ』といった過激な発言がもてはやされている。小泉がこの5年間で日本を、努力しても報われない絶望的な社会にしてしまったからです。将来に希望を持てず、イラ立ちを強めた国民が、ナショナリズムに向かうことは、よくあること。しかも小泉は、周囲の反対を押し切って靖国参拝を強行するなど、自らの失政から国民の目をそらすため、意図的に偏狭なナショナリズムをあおっています。首相の態度が、国民のナショナリズムに火をつけたのは間違いありません」(九大名誉教授・斉藤文男氏=憲法)
郵政反対派を次々と切り捨てていった首相の政治姿勢が、日本の社会に「問答無用」の風潮をもたらした面もある。
□亀田親子がもてはやされる「負け組」社会
秋田男児殺害や大阪連続監禁など、連日、ワイドショ―を賑わせる凶悪な犯罪が続発しているのも、小泉デタラメ政治が原因だ。
帝京大教授の降旗節雄氏(経済学)は「市場主義の競争社会は、〝セ―フティネット〟があって初めて機能します」と言う。それなのに小泉政権は競争だけをあおり、社会保障はどんどん削っていっている。
ここまで「社会の二極化」「貧富の格差」が広がれば、「負け組」はまじめに働くのがバカらしくなってくる。汗水たらして働いても年収200万円以下の世帯が1割もいるのだ。その一方で、「稼ぐが勝ち」の拝金主義がはびこり、日銀総裁が裏でボロ儲けしているのだから、ヒドイ話だ。
「自暴自棄になって犯罪に走るおかしな連中が増えたのも、自然の成り行きです。口の利き方も知らないような亀田親子が支持されるのも、根っこはよく似ている。大勢の負け組が『ル―ルなんて知らねえよ』『勝てばそれでいいんだろ』と開き直ってウサを晴らしているわけです」(著述家・池内ひろ美氏)
安倍は「美しい国へ」なんて新著を出したが、目を覆いたくなるような「醜い国」というのが現実だ。
□安倍政権で日本は一気に右傾化が加速
このまま社会全体が右傾化し、殺伐とした世相が進んだら、日本はどうなるのか。
戦前の外相でA級戦犯として獄死した東郷茂徳を祖父に持つ、元外務省局長の東郷和彦氏が、日本の右傾化をみて、第2次世界大戦前夜の空気に似ている、と警告を発している。
「国家は財政危機に直面し、外交は四面楚歌、国民は貧富の差が拡大・・・・・・。今の日本の状況は、戦争に突入した時とソックリです。この国はどちらへ転ぶか、分岐点に立たされているといっていい。最大の懸念は、次期首相に安倍晋三が確実視されていることです。安倍晋三は小泉以上のタカ派政治家。とくにアジア諸国に対する強硬姿勢は相当です。ただでさえ、国民の右傾化が進んでいるだけに、一気に愛国心をあおり立てる恐れがある。そうなったら日本は再び破滅の道です」(金子勝氏=前出)
小泉のような男に5年間も首相をやらせた結果、日本はとんでもないことになってしまった。
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◆上記の日刊ゲンダイの記事を読んで私が以前書いた感想を再掲する。
メディアの責任も大きい。メディアが小泉の「問答無用」のやり方をもてはやしたのだから。
>郵政反対派を次々と切り捨てていった首相の政治姿勢が、日本の社会に「問答無用」の風潮をもたらした面もある。
日刊ゲンダイは違うが、他の大マスコミは、皆こぞって、小泉が作り出した「抵抗勢力」という言葉に乗り、小泉をほめそやした。
郵政反対派を次々と切り捨てた小泉のやり方を正面切って批判した大マスコミがあったか。
あったら教えてほしい。
それを、今ごろになって、大新聞は、
小泉が靖国参拝反対論者にレッテルを貼り付けたことを怒ってみたり、
加藤氏の実家への放火事件を受けて、言論の萎縮を心配する、とか言い出している。
権力を監視しなければ、というようなことまで言い出している。
まともなことを言っているとは思うし、いいことを言っている場合は記事を阿修羅で紹介するなどして「褒める」、といったことも、必要だとは思う。
だが、彼らの弁には、今更という気が強くしてしまう。
メディアがちゃんと小泉を監視せず、小泉劇場を作り出してきたから日本はここまで酷くなったのではないか。
今頃になって反省しても遅い。
それに、安倍のことを持ち上げる姿勢だって変えていないではないか。
口先だけとはこのことだ。
本当に反省しているのなら、小泉の悪政を正面から批判し、安倍の本性を暴くことだ。
そして、共謀罪にもしっかり反対する。
でなければ、大マスコミは権力監視機能も、言論者としての責任も、果たしているとは言えない。
それから、毎日新聞の社説( http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/archive/news/2006/08/20060816ddm005070151000c.html )によると小泉は
「私を批判する方は、つきつめれば中国、韓国が不快に思うことはやるなということだ」とも言っているそうだが、
これは逆に言うと、他人が不快に思うことをやって何が悪い、ということだ。
他人が不快に思うことをやらないのは人間として基本ではないのか?
こんなところも、突付こうと思えばいくらでも突付けるのに、突付いているメディアの論調を聞いたことがない。
こんな小泉の暴言を無批判に垂れ流すから、日本は乱れに乱れるのだ。
メディアは、まずは自分たちが権力者の土俵に乗って権力者の言うことを無批判に垂れ流してきたこと、そして、今の日本の風潮を作り出してきた責任を認め、反省すべきではないか。
でなければ「ジャーナリスト宣言」(朝日新聞)が死ぬというものだ。
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≪参考≫
□朝日新聞社説 2006年08月16日(水曜日)付 「靖国参拝 耳をふさぎ、目を閉ざし」
http://www.asahi.com/paper/editorial20060816.html
(前略)
首相の目には、日本国内にある反対の広がりが見えないのだろうか。
朝日新聞の7月の世論調査では、参拝反対が57%で、賛成の2倍に達した。新聞も大半の全国紙、地方紙が反対の立場だ。自民党内ですら、歴代首相ら重鎮の多くをはじめ、反対論や慎重論を唱える人は少なくない。連立パートナーの公明党は明確に反対している。
首相は、こうした声をすべて中国や韓国に媚(こ)びる勢力とでも言うつもりなのだろうか。「いつも批判する勢力」と切り捨てようというのか。
(以下略)
□朝日新聞社説 2006年08月17日(木曜日)付 「加藤氏宅放火 政治テロを許さない」
http://www.asahi.com/paper/editorial20060817.html
(略)
政治家は国民に選ばれ、国民の代表として活動をする。その自由な発言が暴力で封じられれば、民主的な社会は成り立たない。
自分が気に入らないからといって、暴力に訴える。そんな卑劣な行為は断じて許すことができない。
(略)
大事なことは、政治家や経済人、言論人が今回のような事件にひるまず、語るべきことをきちんと口にすることだ。
戦前、首相をはじめ政治家が次々にテロに倒れ、政党政治がつぶされていった。そうした暗い時代を二度と繰り返さないためにも、テロを追いつめ、許さないことが大切だ。
□朝日新聞社説 2006年08月19日(土曜日)付 「戦争とメディア 競って責任を問うた夏」
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
(前略)
メディアが権力を監視し批判する使命を放棄したらどうなるか。この重い教訓を忘れないようにしたい。
□毎日新聞社説 2006年8月18日 「加藤議員宅放火 言論封じる風潮を憂う」
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20060818ddm005070113000c.html
(略)
憂うべきは、言論への批判を恐れる人々が、萎縮(いしゅく)して沈黙する現状ではないだろうか。苛烈(かれつ)で容赦のないバッシングが目立つ折、過敏なまでに警戒心を強めているのだろう。孤立するのを避けようと少数派と自覚した人が発言を控えるため、結果的に多数派がことさら幅を利かせる「沈黙のらせん」と呼ばれる現象が進んでいるのかもしれない。いつの間にか言論の自由が狭められており、戦前に逆戻りしかねないようにさえ映る。
この間、加藤議員の発言が際立ったのも、他の参拝批判派の国会議員らが口をつぐんでいたのが一因だ。事件後、右翼陣営から「文化人らが過激な言辞を競い合うため、右翼は体を張るしかないと思い詰めている」といった声が出たことも、尋常ならざるムードの広がりを感じさせる。過失事故の責任者らに一方的な批判を浴びせたり、凶悪犯への厳刑をヒステリックに求める論調と通底するものがあるのかもしれない。一部メディアの報道姿勢や、匿名の無責任な意見をも拡散させるインターネットの影響も見逃せない。
首相参拝の評価についての本社世論調査でも明らかなように、靖国問題は国を二分する重大テーマだ。本来、国論をまとめるべき立場の小泉首相が、テレビカメラに向かって反対勢力の存在を強調し、敵味方に分けて発言したことも危惧(きぐ)せざるを得ない。国会で繰り返し説明すべきを怠り、このまま退陣するのでは言いっぱなしとなる。国のリーダーの言葉の重みが、視聴者に与える影響も考慮してほしかった。
振り返れば、政治家のスキャンダルを暴かれたくないと政府が先導し、個人情報保護法などを通じてメディア規制を画策しだしてから、言論を取り巻く環境が危うくなっている。改めて指摘するまでもなく、少数意見を尊重し、どこまでも話し合いで解決を目指すのが民主主義の要諦(ようてい)だ。原点に立ち返り、自由な言論を封じるかのような風潮は、暴力と同様に、一掃しなければならない。
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◆安倍内閣になっても小泉時同様、メディアが安倍を持ち上げる風潮は変わらないと思われる。こんな記事もある。
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安倍新政権にメディア戦々恐々? 東京新聞 特報
(http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20060923/mng_____tokuho__000.shtml)
安倍政権が始動する。首相官邸の広報機能も強化するそうだが、気になるのは安倍流のメディア対応。自民党幹事長時代には「バランスを欠く」とテレビ局を痛烈に批判。党幹部の出演拒否などで物議を醸した。一方、自身については靖国参拝についても、ひたすら“だんまり”。権力のチェック機能を課せられたメディア側も押され気味だ。自省を込めつつ、同氏の「開放度」を検証すると-。
自民党のメディア、特にテレビ局に対する強硬な姿勢への転換は、二〇〇三年九月の安倍氏の党幹事長就任と軌を一にしている。
まず、〇三年十一月、衆院選直前にテレビ朝日の番組が民主党の閣僚構想を長く報じたことに抗議し、投開票当日に同局への党幹部の出演を拒否した。
この際は、報道被害者の救済機関「放送倫理・番組向上機構」(BPO)が運営する「BRC(放送と人権等権利に関する委員会)」に安倍幹事長名で審理を申し立てるに至った。
さらに〇四年七月の参院選では、TBS、テレビ朝日の年金報道について、報道各社に「政治的公平・公正を強く疑われる番組がありました」とする文書を二、三百件も送付。
選挙戦でも「みどりの会議」の中村敦夫代表のHPに掲載されたパロディストのマッド・アマノ氏の作品に対して、幹事長名で削除を「厳重通告」した。
この選挙後、安倍氏は幹事長代理となるが、自民党は〇五年八月には「NHK番組改変問題」で朝日新聞の資料が外部に流出したとして、記者会見以外での同紙による党役員に対する取材を事実上拒否する。同年九月の衆院選でも、造反議員への対立候補を「刺客」とあえて呼ばないよう、報道各社に文書を送った。
ある民放の中堅社員は「政治家が報道内容に必要以上にピリピリしている現状は異常だ。安倍政権になって、その傾向が強まるのでは、と危機感を持っている」と率直に明かす。
例えば、ことし七月、TBSのニュース番組で内容と無関係な安倍氏の写真が放映され、同局に総務省から「厳重注意」が下った件についても「昔なら番記者を呼んで『あれはない。何か悪意でもあるの?』『頼むよ。気をつけてよ』で済んだ話だった」と驚く。
別の局の社員はテレビ朝日の出演拒否問題を聞いて「あぜんとした」と話す。
「『おまえたちもテレビ朝日みたいになるぞ』と他の局への脅しにもなった。メディアで反論せず、すぐに司法やBRCに訴えるというのも理解しがたい」
最近、テレビ局を監督する総務省もおかしくなってきたと語る。「総務省がすぐ『〇〇日に放送した番組のリポートを出せ』などと言ってくる。なぜ、と問いつめると『〇〇先生に聞かれて』とポロっと明かす」
一方、自民党から通告書を受けたマッド・アマノ氏は「通告書というよりは脅迫状だった」と振り返る。
そこには「自民党は(コピーの)改変を承諾していない。小泉総裁と自民党の名誉を棄損したのは明白だ」と断じていた。アマノ氏は「コピーの間違いを国民の立場から添削して差し上げたつもり。どうお考えになりますか」と安倍幹事長(当時)に対し“逆通告書”を送ったが、ナシのつぶてだったという。
逆に安倍氏自身が取材対象となった場合、メディアへの対応はどうなのか。
〇四年に近親者の名前が浮上した疑惑取材に取り組んだジャーナリストの山岡俊介氏は、安倍氏の事務所に質問状を送ったが「事情が分かる人がいない」と繰り返された末「ノーコメント」と電話を切られた。
「今に至るまで質問状への答えはない。自分にとって都合の良い質問には答えるが、そうでない質問からは逃げる。他の同業者からも似たような反応を聞く。政治家の説明責任を果たしていない」(山岡氏)
今春には、世界基督教統一神霊協会(統一教会)系の団体の集会に安倍氏が祝電を寄せたと報じられた。
この件で、安倍氏はことし六月、「私人の立場で地元事務所から『官房長官』の肩書で祝電を送ったとの報告を受けている。誤解を招きかねない対応であるので、担当者によく注意した」とコメントを発表した。
だが、この祝電を問題視した「全国霊感商法対策弁護士連絡会」の公開質問状へは返答していない。
祝電問題と一連の対応について「こちら特報部」も安倍氏の事務所に問い合わせたが「政治部を通して。番記者を通してください」と繰り返すのみ。経緯の確認もできなかった。
□靖国参拝問題なお明言せず
政治姿勢に絡んでも、開放的とは言い難い。代表的な例は、ことし四月の靖国神社参拝が判明した件だ。国内の政治問題として焦点化していたにもかかわらず「参拝したかしないかについて申し上げるつもりはない」と繰り返してきた。
首相就任後も参拝するか否かについても「外交問題、政治問題化する中で、あえて宣言するつもりはない」と明言を避けている。
さらに先月、加藤紘一・自民党元幹事長の実家が放火された件では、小泉首相同様、事件から約二週間たって初めて「仮に加藤氏の言論を弾圧し、影響を与える行為だとするなら許されない」とコメントした。事件当日の午後から夏休みだったが「緊急を要する案件」とはみなさなかった。
不気味なのは安倍氏当人とは無縁でも、その批判者に暴力的な攻撃が加えられている点だ。先の加藤氏のみならず、この間、安倍氏を激しく批判している田中真紀子元外相の自宅にも最近、脅迫電話や表札に生卵などが投げつけられた。
こうした状況について、メディア訴訟に詳しい喜田村洋一弁護士は「米国では一九六四年にニューヨーク・タイムズを勝たせた最高裁判決以降、メディアが記事内容が虚偽であることを知っているか、真実性に関心を持たずに報じた場合を除けば、政治家のような公人はメディアに賠償を求められない」と紹介する。
上智大学の田島泰彦教授(メディア法)も警鐘を鳴らす一人だ。田島氏は安倍氏の対メディア姿勢が顕著に表れた例として、NHK番組改変問題を挙げる。
□「権力を監視する認識ないのでは」
「安倍氏本人は圧力を加えたつもりはなくても、放映前にNHK幹部に番組内容について何か言えば、客観的には圧力以外のものではなくなる。そこに思いが至らない。彼にはジャーナリズムが権力から独立し、権力を監視するという認識がないのではないか」
新政権は反対も根強い改憲や共謀罪制定への意思を明らかにしている。田島氏は「現政権はメディアを利用しようとしたが、新政権は意に沿わないメディアに直接的に介入してくる恐れがある」と懸念する。同時にメディア側の「現状」にも危機感をにじませる。
「取材からの排除や訴えられることが度重なると、報じる記者が社内で疎んじられかねない。NHK番組改変問題でも、取材した朝日新聞の記者や告発したNHK職員はその後、異動になった。メディア側の委縮はすでに始まっている」
<デスクメモ> 今回、わが部の記者が自民党広報本部に取材を頼んだ。午後一時に電話すると「忙しい」。その後、四回電話してもダメで夕刻、本部に飛び込むと「忙しい!」。名刺交換すら拒まれ、廊下で待つとねばると、上司に電話。名刺交換にこぎつけたものの、そこで時間切れ。表玄関からの取材はやっぱり無意味?(牧)
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(画像はSOBAさんが作られたものです)
≪関連投稿≫
サワヤカな安倍晋三
http://www.asyura2.com/0601/senkyo23/msg/171.html
投稿者 へなちょこ 日時 2006 年 6 月 11 日 03:23:49: Ll6.QZOjNOr.w
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◆今日安倍内閣発足ということで、明日からは臨時国会が始まると思います。安倍政治が私たち庶民にどのような影響をもたらすかという観点から、記事を書いていくつもりです。よろしくお願いいたします。
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